マルケトサミット2016の初日を終えました。

いくつかのイベントレポートを見ると、今回のイベントではあたかもアカウントベースドマーケティング(ABM)が注目されるべきテーマとして発信されているように拡がっていますが、この言葉だけがバズることにとても違和感を覚えましたので、私が感じたポイントを記したいと思います。

ABMは、ターゲットセグメント市場そのものを特定顧客に向けましょうということ。

日本でも「アカウント営業」「大手営業」などと呼ばれる多くの営業組織が長く存在しています。
つまり、ABMの根本的な思想はそもそも新しい考え方ではなくて、むしろ古典的だとすら思います。
私もITベンダー営業時代に某自動車メーカーを担当していた「アカウント営業」でしたが、
営業が張りついている特定顧客にはマーケターは「触れてはいけないもの」という認識が多かったですし、
現在もそのような企業は多く存在しています。

これまでのABM的な取り組み、言い換えると特定顧客へ部門横断で協業してアプローチすることは、主に部門間の目標や役割の違いなど組織上の問題で歴史的にうまく実行することができなかった「戦略」ということでしょう。


なぜABMがアメリカで改めて注目されているのか?

初日のMarketo SummitのKeynoteにもあったようにマーケティング部門が営業部門が決めた戦略下において1機能を担う時代は早々に終わりを告げると思います。

これからのマーケティングは企業経営に直結する主要な組織として「自分たちで」ターゲットを決め多くの顧客と直接的に向き合わなければなりません。

このときマーケターは、確実にインバウンドやリード獲得以上のことをしなければいけなくなります。

また、実行施策に関しての「成功」をより精緻に定義し、より厳しくROIを測定しなければなりません。


アメリカではABMをなぜ実行できるのか?

なぜ実行できるのかという1つの理由には、契約データや行動データなど大量のデータを活かし分析することができるインフラが整ってきたことだと思います。
このことは昨今のBI/MIツールやMAの普及で日本でも同じ環境になってきているように思います。さらにターゲット企業や見込み客そのものをPredictiveという概念で会計情報・企業情報・競合利用情報などのDBサービスとCRMを連携してリアルタイムに予測していくことができます。ただし、前提としては自社がどの業種・どの商材・どのエリアに対して、契約や商談を有利に進められているのかを分析できる環境がなければこうしたツールは機能せず価値は出せません。

なぜ実行できるのかという次の理由は、USではソーシャルプロファイル×モバイルアプリなどで特定の顧客を「個客」としてエンゲージメントするインフラの整備とそれらを実行できるビジネスポリシー、コミュニケーションポリシーの環境があるからだと思います。インタラクティブなコンテンツを通じて、あるビジネスパーソンのLinkedinやFacebookアカウント情報がそのまま多数のフォーム項目の入力を求めることなく取得できます。WistiaVidyardなどのVideoソリューションや、SnapAppなどのROIカリキュレーター、数あるCMSを「Hub」という考え方でオウンドメディアとしてまとめてくれるUberflipなどインタラクティブなコンテンツを提供してくれる多数のコンテンツソリューション企業も存在します。もちろん、取得したリード情報やLattice のような企業データを提供してくれるパートナーソリューションを利用してVisitor状態のリードでも本ブログの画像にあるようなWebパーソナライゼーションを行うこともできます。

最後に最も大きな理由は、こうした施策に関してCMOとCIOとCEOがジョイントコラボできる組織風土だと思います。
日本ではそもそもCMOという役割のポジションが存在しないためUSのようにマーケティングに関してCクラス間がジョイントコラボした例はほとんど目にすることはありません。

このような考えをパートナーソリューションブースのマーケターと意見交換しながら、日本のユーザー企業の皆様と巡っていました。

ただ単に「アメリカのマーケティングってすげぇ…」と感銘を受けて終わるつもりはなく、日本がより優位に成長できるセールス&マーケティング領域があると思えてなりません。

さあ、今から2日目が始まります!今日も、SummitをEnjoyします。